ATM校(卒業試験)
こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
今回は母校ATM校でのティアハイルプラクティカー(動物自然療法士)コースの卒業試験のお話。
早いものでもう3年も前になっちゃうんですね・・・。
(ホテルから学校に行くまでにひたすら歩いた道)
ATM校は基本的にWeiterbildung(社会人になってから勉強し直す教育機関・・・と訳せばいいのかな)なので、様々な生活スタイルの方が生徒です。
そのため、以前のブログでも書きましたが、本校でがっつり通い学習するコース、基本的に自宅で学習する通信コース、その合わせ技コースが存在します。
なので卒業試験も、「あなたの試験は〇年〇月〇日です」というものではなく、学生が自らの勉強の進捗を見て考えます。
厳密に言えば、決められているのは最終試験参加条件を満たしているかということと、在籍期限内に最終試験を受け合格しなければならないこと。
この2つをクリアせねばなりませんでした。
参加条件は、各必修セミナー・各ブロックセミナー・各実習に出席することと、各科目のオンラインテストを実施することでした。
在籍期限とは、各コースによって学習目安が設定されており、プラス1年ほど?猶予を持たせて一人一人に設定された期限です。
各コースによってまちまちですが、確か最終試験は毎月開催されているようなものではなく、年に2~3回しかなかったです。
私の場合は滞在ビザとの兼ね合いもあり、定員になるまでに確実にブッキングしておかなければいけなかったので、年始めには最終試験日を決めていたように思います(試験日11月)。
とはいえ日々動物保護施設のボランティア、ティアハイム勤務、飲食店バイトが日課で、適度に忙しい毎日を過ごしていたらあっという間に数か月前に・・・。
そこからはできるだけ勉強に集中して、読めない単語や理解できない文章構成、聞き取れないセミナー録音をドイツ人の友人に手伝ってもらいながら潰していきました。
電車に乗っているときも仕事の合間も隙あらば教科書を読みこんでいました。
(単純に試験対策するのが遅すぎた気もする・・・w)
そして試験日前日に現地入り。
試験2日前までは夜ろくに眠れなかったのに、その日はなぜかホテルでスッキリ眠れました(笑)
当日の試験では、複数のコース合わせて20名前後の参加者がいました。
(学生番号で振り分け)
私は前半筆記、後半口頭のグループでした。
筆記は120問選択式で、事前の試験対策プログラム(オンライン)を入念にやってなければ厳しかったように思います。
そして口頭試験。
5名試験官(各試験官に書記の方が1名)がいて、それぞれに生徒が振り分けられる形でした。
私の試験官の先生は、幸運なことにセミナーでもPraktikum(実践での訓練)でもご一緒したことのある、とても優しい先生でした。
口頭試験は病名を聞き、その原因、症状、診断、治療を説明するというものが3問(場合によっては4問)。
実践試験は1問のみ。
試験官が飼い主役をして、飼い主の報告や症状から可能性のある病気を見つけ出し、治療法を提案するというものでした。
(ティアハイルプラクティカーの試験で実際に動物を扱うことは法律上許されていないとのことです。)
受験者の回答が不十分な場合は試験管が追加で助け船を出し、それでもっても答えれない場合はアウトらしいです。
私の場合、正直ほぼアウトでしたが、先生が何度も助け船を出してくれました(泣)
そのときの病気を疑う臓器は膵臓でした。
どういう症状だと膵臓の病気を疑うのか、当時の例題は今でも覚えています。
試験後、最終の人が終わるまでだいぶ時間があったので皆待機だったのですが、私の試験官の先生が車に乗るのが見えたので声をかけました。
どうやらその先生はたまたまピンチヒッターで呼ばれて来ていたらしく、早めの上がりだったようです。
(本当に運が良かったと思います!)
少しお話しましたが、その中で
「あなたはちゃんと全体的に捉えて考えれてるので大丈夫よ!」
と声をかけてくださりました。
試験ではしどろもどろ、ドイツ語すらうまく出てこなくなった私。
とりあえず一生懸命ジェスチャーなりで思いを伝えました(^^;)
先生がそれをちゃんと分かってくれていたことがとても嬉しかったです。
そして去り際に
「良いティアハイルプラクティカーになってね!」
と言って帰っていきました。
試験結果が分かるまでまだ1~2時間の待機時間だったのですが、その言葉を聞いてものすごくドキドキしたのを覚えています。
「え・・・、今なんて言ったのかな。もしかして・・・!!」
試験結果は不合格の人のみ呼び出しという、あまり聞いたことのない伝え方でした。
ということで結局誰が合格か不合格か、皆分かっちゃいます。
当日は2名ダメだったようです(たしか馬コースの人だったかな)。
合格者は最後1つの教室に集まって合格証書の配布、学校長の挨拶、ゼクト(炭酸酒)で乾杯!という流れ。
学校長とは初めてお会いしましたが、案の定合格証書もらうときに驚いていらっしゃいました。
「おお、韓国の方かな?」
「いえ、日本です。」
「わお!!!おめでとう!」
こんな感じでした^^
きっとこの学校を卒業したのは日本で初めてじゃないかな。
(ニッチな分野なのでなんの自慢にもなりませんが・・・💦)
今でも思うのですが、あの日あの先生でなければ試験に受かっていなかったと感じています。
それくらい大おまけの合格であったものの、ベルリンのドイツ人の友人に伝えると「なんでもいいのよ!受かったのが事実でしょうが!」と一喝されました(笑)
確かにそうだ^^;
その後5時間くらいはある帰宅途中、なんだかぽかーん・・・という状態が続きました。
(本校のある町の喫茶店で電車待ち。ほんと田舎だ・・・)
なんの感情もない。
ただただ、電車やバスの外を眺めていました。
2年超頑張ってきたことがやっと一つ区切りを迎えたのに、とても不思議な感じでした。
前回のブログに登場した動物たちも試験当日、大きな大きな心の支えでした。
試験結果が出るまでひたすらベンチで猫たちを撫でて待ちました。
たぶん今まで関わった中で一番長く撫でていました(しかも2匹同時に!)
しかも猫たちも全然どこかに行ってしまわない。
ずっと傍にいてくれました。
(ただ寒かっただけかしら(笑))
ATM校の本校へ今後行くことは(少なくとも今の段階では)もうないのですが、セミナーや実習のときの不安や皆に馴染めない居心地の悪さ、大好きな動物や自然との時間。
そして人生で一番緊張したといっても過言でない最終試験。
いろんな思い出が詰まっています。
3年経った今、勉強したことが全部活かしきれているとは決して言えないものの、全くと言っていいほど動物自然療法に馴染みのない日本で、動物自然療法の可能性を諦めずに続けていられること、とても光栄に思います。
日本人に限らず、人は(動物もかな)自分に馴染みのないもの、得体の知れないものを拒みがちです。
動物自然療法の考え方、ホリスティックな視点での物事の見方がときに非常に大切だということを、私は伝えていきたいです。
伝え続けていきたい。
2年3か月、必死になって学んだドイツの動物自然療法。
その知識を、動物自然療法というものを、日本でも動物医療や日々のケアの選択肢の1つになるよう伝え続ける。
改めてそう感じました。
本日もご訪問頂き、ありがとうございました!
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