狂犬病予防接種は必要なのか?

こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。


今週はとある団体の方よりインタビューを受ける予定です!


動物関係ではないのですが、インタビュアーの方が私の活動に共感を持ってくださったようで、とても嬉しくありがたいことです✨



さて、本日は犬さんと暮らしている方には必ずつきまとう狂犬病予防接種のお話。

(これはドイツの鑑札ですが・・・)



日本には狂犬病予防法という法律があり、犬の飼い主は自分の犬を登録し、毎年狂犬病予防接種を受けさせることが義務となっています(管轄:厚生労働省)。

(ちなみに動物病院で勤務していると、年がら年中狂犬病予防接種の診察を見ますが、実は原則としては毎年4/1~6/30の間に受けることとされています。)


ときどき耳にするのですが、


「狂犬病は日本でもう長いこと発生してないから予防は必要ない。」

「獣医が儲かるためにやってるんでしょう。」


とおっしゃる方々がいます。


私は狂犬病を調査してる人間でないので感染確率うんぬんはお伝えできませんが、海外が身近になった今日この頃。

たとえ日本にない病気だったとしても、いつどこからどんな形で入ってくるかは分かりません。


今は絶賛新型コロナウイルスの蔓延中。

ウイルスのパンデミックが起こったときの恐怖はまさに今、皆さんが体験していることでしょう。


狂犬病は感染すれば致死率ほぼ間違いなく100%。


しかも人畜共通感染症です。

(残念ながら今年5月ですら、フィリピンからの帰国者が狂犬病のため亡くなっています。)



対策としてできることは唯一予防接種のみなのであれば、打っておけばいいのでは?

というのが私の考えです。



この狂犬病予防法という法律、場合によっては罰金も発生します。

(動物保護団体も摘発されたりしています。)


ただ現状は犬飼いさん全体から見た予防接種率はさほど高くありません(=義務違反者は少なくありません)。


「皆打ってなくても大丈夫なんだったら、やっぱり打たないでいいじゃん!」


となるかもしれませんが、もう一点、公衆衛生の考えをご紹介しますね。



WHO(世界保健機構)の公衆衛生の定義は、


「組織された地域社会の努力を通して、疾病を予防し、生命を延長し、身体的、精神的機能の増進をはかる科学であり技術である」


となっています。


社会としての疫病予防の観点ですね。


公衆衛生に関連して、シャルル・ニコルの法則というものがあります。


これは、集団の70~75%に免疫(この場合予防接種による)があると、たとえその疫病が発生しても流行しないという法則です。


残念ながら今日本ではそれほどまでの接種率はありません。


なので是非、「1頭打たなくたって平気だよね」とは思わないで頂きたいです。

(もちろんワクチンアレルギーの子や病気等で打てない子は別ですよ!)


特に沖縄。

マングース等疫病を媒介する可能性の高い動物もいるわりに接種率がとても低いです(汗)


犬さんと共に暮らすご家族の方は、是非集団免疫率を高めてほしいです。



自然災害も病気もテロも、皆そうですが、

「あり得ない」なんてことはこの世に「ない」

ですからね・・・(新型コロナウイルスがよい例です)。



あと国によって違うかもしれませんが、私がドイツで狂犬病ワクチンを接種したときは10年有効のワクチンでした(期間を空けて3回打ち)。

人間だとこんなに長い間有効のものがあるのに、

なぜ動物用は1年(日本はこちらかな)や3年ものくらいしかないのか。


これに関してもATM校で教えてもらいましたが、何においても医療の研究や開発はお金がかかるものです。

対人間医療であればお金も集まりやすいのですが、残念ながら対動物医療は資金が不足しがちです。

そのため研究が進まず、今だに長期有効ワクチンが出来てないという噂です(あるいは必要とされていない)。


ワクチンに限らず、医療技術においてもそういうジレンマを感じる場面は多々ありますね。


動物にも最良の治療が選択できるよう、自然療法含め、新しい技術や治療法が発展しますように・・・。


本日もご訪問頂きありがとうございました!

THP-NoharA

Zusammenleben,Wohlfühlen. 共に生きること、心地よいこと。