動物への理学療法
こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
今日は日本でもどんどん注目度が上がっている、動物さんへの理学療法についてご紹介します!
以下、統合動物医療協会発行パンフレット「自然療法の術」:"Naturheilkundliche Therapeverfahren" bei Gesellschaft für Ganzheitliche Tiermedizin e.V.(GGTM)/2014)の内容を踏まえてのご紹介です。
2014年に発行されたものですが、ドイツで動物理学療法がどのような立ち位置にあるのか、どのような分野で活用されているか等が、この記事から読みとくことができます。
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人間の分野において理学療法というものは、事故や術後のリハビリテーション、あるいはスポーツの分野でのトレーニングの一環として今日欠かせないものです。
また、動物の分野の理学療法も今日では多くの動物病院の構成要素の一つとなっており、犬や猫のリハビリとして理学療法が挙がることは重々考えられます。
これから、動物理学療法について少しご紹介すると同時に、その可能性や限界にも触れておきます。
動物理学療法とは?
動物理学療法とは、動物の運動器、つまり筋肉や腱、靭帯、関節を通常稼働させる(普通に使える)ようにする治療を行うことです。
理学療法と物理的療法はよく類義語として使われます。
ギリシャ語で「理学」という言葉は、「自然、自然的な、自然に生きる過程に該当する」という意味です。理学療法は物理的に障害のある身体機能の治療ということです。
その治療は手技(物理的テクニック)や力学的要素(体操や運動療法)、静的力学的要素(マッサージ)を用いて行われます。
「力学的療法」は理学療法の一分野であり、力学的手法を用いて治療が行われます。
例えば、水(ハイドロセラピー、水浴、水泳)、温熱療法や寒冷療法(温度療法)、電気療法(刺激、超音波、レーザー、マグネット療法)等です。
(赤外線ランプで温めている様子)
動物理学療法はどのように作用するのか?
これらの方法の目的は、新陳代謝促進や筋肉構築、自然な動作の流れを(再び)学ぶことによって、身体の自然な反応を促進することにあります。
動物理学療法は身体の健康を保つことや通常の(生理的な)状態を再び構築することに寄与します。
統合的診断、療法の形としての動物理学療法は、動物それぞれの個体を見ています。
一頭一頭の個体に適して治療が行われるのです。
どのような場合に動物理学療法が役立つのか?
動物理学療法は動物医療において、内科、外科、手術、整形外科、神経科、老化、産婦人科、小児科、スポーツ医療、医学的トレーニングなど、様々な分野で使われています。
動物理学療法では、椎間板ヘルニアを起こした犬の歩行を再び正常化させることが可能です。
この療法を通して、例えば筋肉断裂や十字靭帯の術後などの筋肉、関節、靭帯、腱の動きを改善することができるのです。
また、骨折後や馬尾症候群の際の筋肉の機能、筋肉構築を改善します。
その他、例えば股関節形成不全や脊椎症などの関節炎の疼痛緩和に役立ち、症状の進行を妨げます。
さらには、スポーツやアジリティーなどの競技に関わる動物のコンディションを改善することもできます。
年老いた動物に対してもコンディションの調整目的に導入することができます。
事故や術後に行うと、治療期間を短くしたり治療課程をより良好にすることができます。
動物理学療法は、例えば肘に問題のある若い犬や早期に関節炎の兆候を見せる若い犬猫のような、早期性または遺伝性の病質に対して取り入れることでもその威力を発揮することができます。
理学療法の治療期間
治療の最初には患畜に対して事細かに、特別な理学療法的検査を行います。
そこで出た検査結果により治療プランを作成します。
通常、急性の症状であればあるほど、治療期間は短くなります。
骨や関節に変形や異常が多いほど、休暇期間を取り入れながら定期的に治療を継続する必要が高くなります。
経験則からして、まずは6~10の治療がおすすめです。
これらの治療はどの技術を用いるかによりますが、5~60分間行われます。
その他注目すべき点
慢性疾患を抱える動物に関しては、治療の成功を安定化させるために飼い主は定期的に自宅で理学療法のトレーニングを行わなければなりません。
動物理学療法士による定期的なチェックが必要であり、そのことにより動物の全身状態が悪化していないかを見極め、場合によっては治療を集中的に行えるようにするのです。
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いかがでしたか?
私が通っていたATM校にも動物理学療法コースがあり、基礎学習(生理学や病理学など)は一緒だったので週末セミナーの際にもそちらのコースの方々が参加されていました。
現在お仕事パートナーであるVanessaさんもその一人。
日本でも動物の理学療法やリハビリの分野はどんどん注目されてきだしたところでしょうか?
一般的な町医者病院だとなかなかそこまでカバーできているところは非常に少ないとは思いますが、動物に対して理学療法というものが存在し、それによって疼痛管理や生理的な運動器の動きを再現できる可能性があるということを頭に入れておくことで、いつか必要になったときに理学療法を活用できます。
愛犬さんや愛猫さんのために役立つ情報、広く浅くでもよいのでたくさん知っておきたいですね^^
では、本日もご訪問頂きありがとうございました!
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