自然療法とは?
こんにちは、ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
昨日は見事なまでのお天気だった野原家周辺。
窓を全開にして家の中にいると、なんとも夏を感じざるを得ないご陽気でした。
これから暑さも一旦落ち着くようなので、動物と一緒に暮らされてる方はこれから来る暑さ対策を今のうちになさると、急な気温上昇にも対応できて良いですね!
さて今日は、そもそも自然療法ってなんですか?という疑問を持たれる方も多いと思うので、そのことについて書いていきます。
自然療法と言っても内容は多岐に亘ります。
・メディカルハーブ
・ホメオパシー
・東洋医学
・レーザー照射
・アロマ etc…
これらに共通しているのは病気の治療に対する姿勢だと、私は考えています。
大体どのウェブサイトや本を読んでも、
自然療法というものは元々その生き物の中に備わる「自己治癒力」を高めて、それでもって不調を改善する。
というように書かれています。
そう。
その元々の力がうまく機能してないからサポートしていくのです。
厚生労働省のサイト、統合医療を参考に載せておきます。
※自然療法や伝統療法を現代の西洋医学と組み合わせて治療をしていく療法。私の目指す治療法も統合医療であり、お互いの良いところを組み合わせ、その患者さん(患畜さん)に合った治療を目指したいところです。
こちらのyoutubeは西洋医学と東洋医学の比較として紹介していますが、説明がわかりやすいのでこちらも参照まで。
(玉先生の医療系youtube、分かりやすくておもしろいです^^)
ここからは私個人的な意見ではありますが、自然療法のメリットとデメリットを挙げてみます。
【自然療法のメリット】
1、化学療法に比べて、基本的にじっくりと穏やかに効く。
例えばハーブ療法にて、ハーブを摂取してからすぐに効果が出ることはあまりないという印象です。
「気がつけば不調が改善してるな」という感じで、身体に穏やかに作用します。
※一部、化学療法と同じく効き目に即効性があり、ガツンと身体に影響を及ぼすものも存在します。
2、副作用が(ほとんど)ない。
「ない」とは言い切りませんが、ほとんどの場合、正しい量を正しく摂取すれば副作用はほぼないと言っていいのではないでしょうか(少なくとも化学療法に比べれば差は歴然)。
3、「なすすべなし」と獣医さんで診断された子の緩和ケアとしての可能性。
残念ながらもう何もできないと診断され、薬も処方されなかった子(=薬の副作用に耐える体力がないと診断された可能性あり)に対して、自然療法だと痛みや不調を緩和するケアができることがあります。
4、一般的な医療より値段が安価(ドイツの場合)。
これに関しては、自然療法がある程度普及しているドイツだからこそ叶うものかもしれません。単純に化学の薬と自然成分由来の薬を作るとすると、よりコストがかからないのは後者です。(ただし、Zytoplasmatische Organtherapie(動物細胞製剤)等例外あり)
が、自然療法の薬があまり出回っていない日本だと話は別ですね。まだまだ薬自体が珍しいから自然と値段は高くなります。
診療(健康相談)等も保険適応外になってしまいますしね・・・。
5、不調の根本を突き止め、発生源を解消する(総合的医療)。
総合的な治療(ドイツ語でganzheitliche Therapie)は病気の根本治療のために必要不可欠です。
例えば、
「鼻水が出た。では鼻水を止める薬を・・・。」
ちょっと待ってください。
鼻水は、身体が考え出した、異物や菌を体外へ排出するための防御システム。なのに不快だからと言ってそれを中に留めておくと・・・?
そう、このような治療法はただ症状を抑え込んでるだけなんです。
抑え込んだものはやがて留めておけなくなって、ドーンとまた再発するわけです。
なんだか分からないけど同じ症状が定期的に出てる方、または、いろんな症状が代わるがわる出てる方は、根本となるものを見つけて働きかけていかないと、今後も同じことの繰り返しかもしれません・・・。
【自然療法のデメリット】
1、即効性がないものが多い。
一部ホメオパシーを除いて、即効でキュピーン!!と効く自然療法というものはあまりないイメージです。これはメリット1の部分と関わってきますが、大抵のものはゆっくり穏やかに、自分自身の免疫力や身体の細胞に働きかけていきます。
なので、あらゆる自然療法において、「一度きりの体験で不調が全部吹っ飛んだ」ということはほぼ起こらないと思っています。
(あくまで個人的見解です。私はまだまだ実践経験が少ないので・・・。)
2、自然療法だけで全ての不調に対応するのはほぼ不可能。
医学は人間が知恵を絞りに絞って作り上げた英知の塊です。自然療法と全く同じで、デメリットもあればメリットもたくさんあります。残念ながら、全ての病気を自然療法だけの力で克服するのは不可能だと思います。ましてや獣医療の場合、治療法の決定権は動物自身でなく、飼い主さんにあります。
何が言いたいのかというと、Schulmedizin(直訳すると「学校医療」=従来の西洋医学)の力を借りなければ治らない病気に対して、自然療法のみを選択するのは賢明な判断ではないということです。例えば犬さんが寄生虫感染で苦しんでます。化学薬を投与すればすぐに克服できるところ、飼い主さんの意志で、自然由来の穏やかな薬だけで治療するとなると・・・。恐らくその犬さんはより長く苦痛に耐えなければならないでしょう。
西洋医学と自然療法、それらの選択肢があるとしたら、メリットとデメリットを天秤にかけてみましょう。ケースバイケースで最善の方法を探ると良いでしょう。
3、効き目は個々によって様々。(=適切な薬を選ぶ難しさ)
自然療法はganzheitliche Therapie(総合的治療)と併せて、individuelle Therapie(インディビジュアル治療)とも言われています。要は人それぞれ、動物それぞれ、違うんです。もちろんな話なのですが、私たちはしばしばそのことを忘れてしまいます。
家系も違う、育つ環境も違う、習慣も違う、見た目も違う・・・etc
なので合う薬だって合う治療法だって個々で変わってくるはずです。
ということは、個々に合わせた薬を選ぶ必要があります。
「この症状だからこの薬」とはならないのです。
これがなかなか難しい・・・。
私の学校でも、先生方の経験を元に「こういう場合、この薬が有効だった」等、Kasuistik(今までの症例・治療例)を教えてもらうことが多いです。自然療法の本も然り。
こういうデータを集めつつ、実践して結果を見る。ダメだったら次の治療法を試す。
トライ&エラーと言うと聞こえ方が悪いかもですが、
「これを使ったらこれが治ります。」
なんて言い方は、特に自然療法においては私は絶対にできません。
「こういう例があったので、やってみますか?」
というように、患者さんの側につき、情報を提供、おススメする形です。
4、怪しい?
はてなマークをつけたのは、日本の一部の方々の中で捉えられる自然療法のイメージかな~と思ったため。
まぁネット上で検索するとそういった議論が山ほど出てきます。
そういった記事を私はあまり拝見していませんが・・・。
それら情報を集めて「やめとこう」と思うのも1つ、「おもしろそうだからやってみよう」と思うのも1つ。人それぞれでいいんじゃないかと私はゆる~く思っています。
自然療法をゴリ押しもしないし、否定もしない。
興味があって治療法として取り入れてみたいと思う方の側に寄り添い、私の提供できるものをお渡ししていく。
それで十分です。
うまくまとめられてないかもしれませんが、書いてて改めて感じました。
やはり日本でも自然療法が治療法の選択肢の1つとして考えられるようになることは、全くマイナスなことではないと思います。
なので、一人でも多くの方が興味を持ってくださると嬉しいです!
では本日はこれにて説明を終わります。
今後、カテゴリー「自然療法」にて、たくさんある療法の一部をピックアップしてご紹介していきますので、ご興味持たれた方は是非お読みくださいね。
ご訪問、ありがとうございました^^
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