ティアハイム(Tierheim)とは?(基本情報と運営費)

こんにちは、ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。


あっという間に5月も中旬。

私の地方ではまだ緊急事態宣言は解除されていませんが、新しい日常に向けて早々に人々が準備し始めています。

私も対面での具体的な活動は控えていましたが、6月から活動再開できるよう、準備していきますよー!




さて、今日のテーマはドイツにおける動物福祉から、日本で興味持ってる人は必ず知ってるとも言って過言でない、ティアハイム(動物保護施設)について少し書いてみます。


まずドイツ語のお勉強。


ティアハイムはTier(動物)とHeim(家)を繋げた、「動物の家」という言葉です。


日本のいわゆる動物保護施設です。


ティアハイムという固有名詞、1つの団体が各地にセクションを持ってますというわけではなく、動物保護施設が各地にあって、それぞれ「ティアハイムベルリン」だったり「ティアハイムミュンヘン」だったり、地名で名前を持っている感じです。


1つの組織ががっつり様式を統一しているわけでないので経営状況や飼育方法などは様々ですが、条件を満たせば「ティアシュッツブント(Tierschutzbund)」という組織の傘下になることができます。


ティアシュッツブントは日本語で動物保護連盟。


この組織は実際に動物を保護しているのではなく、各地の傘下団体をまとめ、広くドイツ全体(はたまた外国にまで)に動物保護・動物福祉の広報・啓発活動等を行っています。



ティアハイム各々はこの組織の傘下に必ず入らなければならないというわけではなく、動物保護連盟に所属せずに保護や啓発活動を行っているティアハイムや他団体もあります。


例えば、私はティアハイムベルリン以外にも2団体でボランティアをしていましたが、そのどちらも動物保護連盟に加入していません。


そのうちの1つ、アクションティア(Aktion Tier ※英語サイトなし、ドイツ語のみ)について少しだけご紹介すると、この団体はティアハイムが保護動物の世話に活動の中心を置いているのに対し、


「動物が捨てられたり不当な扱いをされる蛇口を閉めようではないか!」


という想いを中心に活動しています。

(アクションティアでの私のボランティア先は野良猫のTNRセクションでした。このときはイレギュラー対応中で保護猫のお世話をしていましたが・・・。)



先ほど触れた通り、ティアハイムは基本的に個々に独立して運営されています。

なので団体のロゴはもちろん、掲げるポリシーや飼育形態もそれぞれ違ったりします。


気になる運営費ですが、ティアハイムは民間の動物保護団体です。

中には行政と一緒になって運営しているものもありますが、基本的には行政は未介入、運営費のほとんどは寄付によってまかなわれています。


例えばティアハイムベルリン。ヨーロッパ最大の動物保護施設であり、保護動物の数や従事者の人数等、本当に規模の大きい施設です。

年間の運営費は約1000万ユーロ(約11億8千万円)。とりあえず桁違いなんです。


この団体はベルリン市から委託され、飼い主不明の収容動物や狂犬病疑いのある動物(外国からの検疫)等の保管も行っています。

この委託金を行政からもらっているわけですが、ティアハイムベルリンにとって動物の保管にかかる費用の方が高くついていて金銭面でのプラスにはならないということでした。


ティアハイムベルリン含め、寄付の内訳は大体、富裕層からの遺産や会員費をはじめ、日々の広報活動によって一生懸命集めてきている寄付金のようです。


意外なことに、遺産以外の寄付は日本の団体とさほど変わりないようですね。


あとはペットフード企業からのフード寄付やスーパーマーケットやペットショップ等とコラボした店頭物品(or現金)寄付など、物質的な寄付もあります。


ティアハイムベルリンでは2017年から、入り口を入ったところに誰でも自由にグッズやフードを置いていける寄付ステーションを設けています。

(大手スーパーマーケットとティアハイムのコラボ企画。スーパーの店頭でこのようにこちらの紙袋(フードなど入っている)を購入すると、ティアハイムに寄付される。)



と、簡単ではありますが、ドイツのティアハイムとはどういう組織でどういう運営をしているのかを書いてみました。


ティアハイムは私がドイツに渡ろうと思うに至った憧れの場所。


実際に見たり働いたりして、もちろん良い面だけでなく、課題も少なくないことを実感しました。

それでもドイツ人の生活スタイルや仕事の仕方、動物との共生スタイルに私は今でも魅了されています。



「もっと詳しく知りたい!」という方は是非お便りください!

次はどんな切り口からティアハイムについてのブログを書いてみようか、検討致します。



本日もご訪問、ありがとうございました!

THP-NoharA

Zusammenleben,Wohlfühlen. 共に生きること、心地よいこと。