動物愛護・動物保護・動物福祉 似てるようで似ていない日本語
こんにちは、ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
緊急事態宣言が解除され、街に活気が戻ってきましたね。
ただ、いまだ多くの方々が闘病生活を送られていて、covid19が原因で亡くなられる方が今もいらっしゃること、多くの医療従事者やご家族が奮闘していること。
新型コロナウイルスの蔓延は続いていること。
決して忘れてはいけません。
ここからは個々人の心がけが大切になってきますね。
自分と、自分の大切な人々を守れるのは自分です。
これから一層、こまめな手洗いうがい、マスク着用・・・etc、キープしていきましょうね!
さて、今日のブログはちょっとした日本語のお話。
私は元々、動物愛護の気持ちから動物保護に興味を持ちました。
そして深く追いかけると、動物福祉について考えるようになりました。
この3つの言葉の違い、皆さんは説明できますか?
動物愛護 = 動物を愛で、かわいがること。その精神。
動物保護 = 動物を庇護し、守ること。
動物福祉 = 人間による動物の利用を認めつつ、動物がよりよい飼育環境下にいられるよう整えること。
ざっとではありますが、おおむね私はこのように解釈しています。
もっと詳しく知りたい方へ、参考までに地球生命会議ALIVEさんの記事リンクを付けておきます。(動物保護活動における用語の定義)
私が動物に関して本格的に興味を持って追い出した頃は、「動物愛護」という言葉が主流だったように思います。
今でも法律は「動物の愛護及び管理に関する法律」ですしね。
しかし今は「動物福祉」という言葉が強調されるようになってきた感覚を持っています。
ドイツで動物保護団体の方がよく使う言葉は「Tierschutz(ティアシュッツ)」。
これは直訳すると動物保護になります。
一方英語圏でよく使われるのは「Animal Welfare(アニマルウェルフェア)」。
これは動物福祉に相当します。
ドイツ語でアニマルウェルフェアを表現するのであれば「Tierwohl(ティアボール)」ですが、英語のAnimal Welfareをそのまま英語で使ったりもします。
(ティアハイムの季刊誌にはもちろん、Tierschutz動物保護という言葉がたくさん出てきます。)
私の経験上、意図的に言葉を使い分けているようには思いませんでしたが、日本と異なる点としたら、彼らの中で動物保護や動物福祉というと、コンパニオンアニマルの分野に限らず、産業動物や野生動物まで、より大枠で捉えている印象でした。
もちろん日本でも野生動物の保護、産業動物の福祉向上に従事されている方もいらっしゃいますが、一般的に動物愛護や動物保護と聞くと、家族のいないコンパニオンアニマルの保護を思い描きませんか?
私たちが日常生活を送るにあたって、産業動物や野生動物の存在を意識することはあまりありません。
動物・Animal・Tierで何を思い浮かべるか?
きっとそれぞれの国で違ってきますね!
と、話が少し逸れました💦
あと、動物福祉の「人間による利用は認めるけれど・・・」という箇所と違う意見を持っている方々もいらっしゃって、動物の権利を訴えています。
動物の権利 = 動物は人間に搾取されることなく、それぞれの本性に従って生きる権利があるという考え方。
人間による利用を認めないということで、食肉はもちろん、牛乳や卵、毛皮などの動物由来製品を利用すべきではないという主義があります。
そうすると自ずとヴィーガン(動物由来食品を摂らない)生活になりますね。
ちなみに食べるものでカテゴリー分けすると、
雑食 =文字通り、肉もなんでも食べます(日本語で適切な言葉分からず^^;)。ドイツ語だと"Alles Fresser"と言います。
ぺスカタリアン =肉以外は食べます。魚も食べます。
ベジタリアン =肉・魚は食べません。卵・牛乳・ハチミツ等、動物由来食品は食べます。
ヴィーガン =動物由来食品を食べません。
(ベジタリアンの中でも「ハチミツは食べるけど卵は食べない」など、より細かなカテゴリー分けも存在しています。)
またまたちなみに、当然ながらベジタリアンやヴィーガンになった理由として、「動物のため」もあれば「健康のため」だったり「単に肉の味が嫌い」などもあります。
いろんな方がいろんな考え方の下、それぞれの食生活に落ち着いているのです。
一部の方からの非難を恐れず申し上げると、私は雑食です。お肉もお魚も食べます。
ただ、当然ながら食べるときは生き物へ感謝し、残さないよう大事に食べています。
ティアハイムベルリンにいたとき、仲のよいスタッフたちはヴィーガン率が高く、彼女らに配慮していつもお弁当はヴィーガンフードになるよう気を配っていました。
彼女らも私がお肉やお魚を食べているのは薄々分かっていたと思いますが、お互いに干渉し合わずにいました。
(こちらも友人手作りのヴィーガンフード!激ウマです!!)
もしかしたら今後、私がベジタリアンやヴィーガンになることもあるかもしれませんし、ならないかもしれません。
私が大事だと思うのは、「相手が雑食だから分かり合えない」「相手がヴィーガンだから分かり合えない」と反発したり過剰に干渉しあうのではなく、配慮をしながら自分の意志で食を決定していくことです。
きっとそれはとても難しいことかもしれないけれど、少なくとも私はベルリンでそれを実際に体験し、見聞きもしてきました。
・・・あれ?また話逸れてます?(笑)
ひとまず今日は、動物愛護や動物福祉に興味を持ったらこの言葉の違いは知っておいていただきたい!というものをご紹介しました。
動物愛護は人間からの一方的な愛でも成り立つのです。
動物福祉はその動物自身が快適な状態でいることで初めて成立します。
私たち動物好きが目指すところは、やはり「動物福祉」ですよね?
そのためにはその動物のことについて、本来どういう環境でどういう生活をしているのか、生態について勉強せねばなりませんね!
動物福祉のレベルが高い国はきっと、人間の生活の質や福祉レベルが高い国なんだと思います。
本日もご訪問、ありがとうございました!
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