起点・ノラの子

こんにちは、ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。


5月ももう終わりですね!

6月はどんな月になるでしょうか?


「どうせ~」から始まる言葉ではなく、「きっと~」や「~したいな」「~だったらいいな」という前向きな言葉で考えていきましょうね(^^)/




さて、今回の振り返りは私が高校生だった頃のお話。


そのときは家の近所で一時期ノラ猫さんがめっちゃ増えた時期でした。



仔猫連れの猫さんを見かけたと思ったら、気づいたらだんだん仔猫の数が減っていくんですよね・・・。

自然のきまりなので当たり前ではあるのですが、バイタリティーって個体差があります。

弱く生まれてきたらそれだけ生き残る確率が減ります。


しかしその頃の私はなんにも知らず、一匹また一匹と消えていく仔猫を見ては落ち込むばかりでした。



そうそう、なかでも一番印象的だった出来事がありました。



そのときも一匹弱っちい仔猫がいて、気になってたのですが・・・、


大雨の日のこと。


家の外で仔猫が弱々しく鳴いてるのが聞こえました。

弱々しいんだけど、ずっと鳴いてるんです。


見に行くと、お母さん猫は向かいの家の軒下で、残りの仔猫にお乳を与えていました。

そしてうちの家のすぐそばにその弱ってた仔猫が雨に打たれて動けない状態で倒れていました。


仔猫が一生懸命お母さんを探して呼び続けているのですが、お母さん猫は返事をするだけで助けに来ないんです。



お母さんからは仔猫が見えてるのに、助けに来ないんです。



きっとお母さんはその仔猫に見切りをつけたんだな、と感じました。


でも仔猫はまだ生きようと必死でした。



もう顔は鼻水やら目ヤニやらでドロドロで、身体ももう動かないのに、声だけはすごく大きかった。

私はなんとかして助けたいと、手を差し伸べようとしましたが、自分の中の冷静な部分がそれを止めました。


当時すでに飼い猫が家におり、その猫が全く他の猫を受け付けないこと。


自分にはこの猫を獣医に連れてくだけのお金がないこと。


ましてや長期治療になれば、誰が面倒を見るのか。


ぐるぐるといろんな問題が頭をよぎりました。



が、しかし目の前で消えかけてる命をなんとか救ってやらないと!という思いで家族に話をしました。

でもね、猫のこと詳しく知らない人でも、この仔猫がもう長く生きれないのは一目瞭然だったんです。

皆さんの中からご批判を頂くこともあるかもしれませんが、私は結局何もしてあげられませんでした。


ただただ、傍で見守ることしかできませんでした。



通りすがりの近所のおじさんが傘を渡してくれたのを覚えています。

が、私はずっと泣きながらその子が息を引き取るのを見つめるだけでした。



その子が亡くなった後、土に還してあげました。



自然って、ときにとても残酷です。


「母猫はせめて見えないところに行ってくれればよかったのに」とか「なんで助けてあげないんだろう」とか思いましたが、これが自然です。


私があまりにも人間的な感情を入れすぎていました。



家に帰ったら、うちの飼い猫がゴロゴロと暖かい部屋の中で寝そべっていました。


なんて幸せな猫だろう!と思いましたし、同時にこの「差」はなんなんだろうとも思いました。


ありとあらゆる手を尽くして延命治療まで受けているペットもいれば、同じ動物種でもこうやってじわじわと野垂れ死ぬ子もいるんですよね。


それが悪いことだとは思いません。人間だって同じですから・・・。



でも、それだったら一度ペットとして迎えられた子は最期まで必ず愛情を注いでもらうのは必至です。



あともう一点、この件で学んだことは、泣いたって何したって、必要な知識がなければ動物を助けることはできないということ。



「かわいそう」で泣いてるだけじゃ何もできない。何も救えない。



厳しく聞こえるかもしれませんが、私はそう思います。

というか、そうやって自分に言い聞かせてます。



その後もドイツに行くまでの間、何度か動物保護や福祉の分野で活動しましたが、動物が亡くなる度にそう思いました。


私には動物を助けてあげられる知識がない。


今振り返ってみると、それを補いたくて出会ったのが、動物自然療法の勉強だったのでしょう。



あの子の死はとてもインパクトがありました。


あのときその死を見つめたからこそ、今の自分が存在しています。




ノラ猫・ノラ犬として生まれてきた子、


"不要"だと捨てられて殺処分される子、


温かい家で家族に見守られながら亡くなる子、


・・・・・・、


なぜその命に差があるのでしょうか。



私たちに救える命はもっとたくさんあります。しかも簡単に。


その動物種のことを学び、動物を擬人化することなく共生していく。



そうすれば、少なくとも「世話がこんなに大変だった」「言うことを聞かない」なんていう理由で捨てられる子たちはいなくなるのです。



日本に限らず、動物保護(ここでいうのは主にコンパニオンアニマルの)というのは非常に多方面の問題を抱えています。


まずは私たちができることをしていきましょう。


「関心を持って情報を集める」こと。とても大事なことです。



おっと、少し熱が入ってしまいました💦


でもこのノラの子を天国へ見送った体験は、私が動物の分野で活動していく大きなポイントとなりました。


あのとき助けることができなくてごめんね。


きっと今は新しい命として、幸せに生きてくれていることと思います。



本日もご訪問、ありがとうございました!