動物へのバッチフラワー

こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。


またゆるりと日常が戻ってきましたが、昨日は去年10月に行った山に登ってきました!

やっぱり自然に触れるのはいいですね~✨

今まさに反動がきていて筋肉痛ですが(笑)、今年は月一登山目標なので次第に慣れていきますように~。



さて、今日はまだまだご存じでない方も多い、バッチフラワー(フラワーレメディー)についてご紹介します!


以下、統合動物医療協会発行パンフレット「自然療法の術」:"Naturheilkundliche Therapeverfahren" bei Gesellschaft für Ganzheitliche Tiermedizin e.V.(GGTM)/2014)の内容を踏まえてのご紹介です。


2014年に発行されたものですが、ドイツでバッチフラワーがどのような立ち位置にあるのか、どのような分野で活用されているか等が、この記事から読みとくことができます。


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例えば、愛犬が上昇していく気球に怖がりパニックを起こした場合、私たちには何ができるでしょうか?

あるいは膀胱炎を患っていない健康な猫がいつも洗いたての洗濯物におしっこをする状況で、私たちは何をすればいいでしょうか?

また、新しい動物や人間の赤ちゃんが新たに家族の一員になったとき、それを受け入れたがらない先住犬・先住猫がいる場合は?


これらの現象はそもそもは病気ではないのですが、人間と動物が共に暮らすこと自体に酷く負荷になります。

そのため、私たちはそのことをはじめから軽く見てはいけないのです。

経過と共に取返しのつかない、解決のできない問題に発展しかねないのですから。



バッチフラワーセラピーとは?

バッチフラワーは、その生みの親であるイギリス人医師、Dr.Edward Bach氏(1886-1936)にちなんで名付けられました。

彼は20世紀、30代の頃にこの療法を考案し、38種類の植物レメディー、コンビネーションレメディー(No.39)、レスキューレメディーを開発しました。


レスキューレメディーは今日最も有名なバッチフラワーレメディーです。

(一部のバッチフラワーは日本でも供給体制が整っているのがメリットの一つ)



これは5種類の植物のエッセンスからできています。

使用領域としては、全ての急性の身体的、精神的緊急時です(人間、動物とも)。


事故で動物病院へ向かっている最中に応急処置として使用することもできます。



バッチ医師は、自身や家族に対して観察力がしっかりある人が簡単に、そして安価にできる治療法を作るというビジョンを持っていました。

彼はあらゆる身体的な病気の前に精神的な不調が起きていると主張しています。

この精神的な不調を処理すれば、人は全く病気にならないのだと彼は考えていたのです。



バッチフラワー療法は今日、調節医療(身体的/精神的バランスを調節することを目指す治療)における数多の方法の中の一つです。


人間の分野においては、精神的問題を抱える、もしくは慢性病を持つ人の単行療法として、あるいは他の治療の補助として使われています。

動物の分野においても約25年以上も前から、精神障害、行動障害の際に有効で、身体的病気の補助療法として成果を出しています。


バッチフラワーの成分は今日なお、バッチ医師の頃同様、野生の無毒な花、草、木、薬効のある泉の水などから選ばれています。

レメディーは英語の名前でアルファベット表記され、1~39の通し番号が付けられています(例:No.1 Agrimony(アグリモニー))。



バッチフラワーはどのように効くのか?

バッチフラワーは人間と動物の精神に調和をもたらします。

この療法は振動と関り合う、インフォメーションセラピーです。


これらのレメディーの中には、特定の処理によってそれぞれの植物の花の情報が記憶されています。

これらの情報が、精神的な問題や身体の病気の際にその反響で現れる、人間や動物の行動障害を調整するのです。


ただ、充分な医学的科学的根拠はいまだに見つかっていません。


バッチフラワーは動物に対しても様々な方法で使用可能です。

例えば口に直接投与する、フードに混ぜたり水に混ぜる、頭や背中に滴下したり擦りこむ等です。



いつ役立つのか?

バッチフラワー療法の専門領域は、対精神症、心身症の病気や精神障害です。

しかし、慢性疾患や発達障害、老化に伴う不調、頻繁に繰り返し発生する問題に対しても良い影響を与えることが多々あります。


例えば、あらゆる大きな音に驚いたりパニックになって走り回るような犬は、常にストレスを抱えています。

引越し後新居に慣れない猫も同様です。


ストレスは免疫系にネガティブな影響を及ぼし、動物の身体を病気にすることもあります。

今日動物はより家族の一員として捉えられるようになっており、50年前と比べると精神的な問題というものが全く違ったように重要視されています。

飼い主はその子に不安な思いをさせたくないし、適応障害から救いたいと考えます。


しっかりと選び抜かれたバッチフラワーの影響によって、怖がりな動物が荒れ狂ったり生き生きとしている動物が引きこもりになるようなことはありません。

この療法は極端な行動をバランスのとれた状態に持っていくのです。

そのことにより、人間と動物が長期にわたり快適に共に暮らすことができるようになるのです。


バッチフラワーの施術を行う前に、その対象動物は獣医により入念な基礎検査を行う必要があります。

これは飼い主がセルフケアとして家でバッチフラワーを行う場合も同様です。


異常な行動をする背景に、バッチフラワーで手助けすることのできないような心臓病や肝臓病、腎臓病などの重大な病気の初期症状が隠れている場合があるのです。

心臓病、肝臓病、腎臓病の初期段階であれば治療は可能ですが、これらの病気が一度進行してしまい動物が重度の病気になってしまうと、現代獣医療ですら助けられる範囲が限定的になってしまいます。


また、動物の問題行動が周囲の環境に対するストレスと関係しているのであれば、その環境をどうにかしないことにはバッチフラワーだけでは解決できません。

例えば、ある猫が子供を怖がっているのに安全な場所に逃げることができない状況下では、仮に子供に追い詰められたとすれば、猫はその子供を攻撃するでしょう。


このような場合はバッチフラワーは効果を発揮しません。

(=この場合、「攻撃する」動物が問題なのではなく、「攻撃されるような状況を作っている」人間が問題ということです。)



バッチフラワー療法の治療期間

経験則として、その問題が急性のものであればあるほど期間は短くなるうえ、より簡単に適したレメディーを選べます。

例えば、ある猫がテリトリー争いで完全にパニックになった状態で帰ってきて、隠れて出てこない、落ち着かないような場合、状況・状態を踏まえて選ばれたレメディーを使って、そのショック状態を2~3日のうちに解消し、その動物を普通の状態に持っていくことが可能です。


しかし、仮にある犬が年中、突然起こる大きな音に反応して逃げてしまう、もしくは花火の音でパニックを起こすような状況下であれば、数か月から年単位の長期にわたる治療が必要になる可能性がありますし、その場合は経験のあるセラピストがレメディーを選定し、定期的に休止期間を設けてやっていくべきです。


多くの場合、バッチフラワーは予想される特定の状況に対して予防的に使用することができます。


慢性疾患を抱えた動物や、特定の障害を持ち、既に様々な治療を受けたけれど成功しなかった動物の場合は、いづれにせよ長年の経験があるバッチフラワー療法のプロを探した方がいいでしょう。

このような場合は、定期的な休止期間を設けてそのときそのときに必要なレメディーを新たに決める必要があります。

というのも、このような問題の多くは独自の力学(ダイナミックス)が存在していて、時間の経過とともに変化しているからです。


慢性疾患の治療は「玉ねぎの法則」で進められます。

玉ねぎの皮が一皮一皮むかれていくのと同じく、バッチフラワーによって病気の層が一層一層処理されるのです。

それぞれの層の内側に、今の不調とは異なる過去に一度現れていた状態・ものが隠れている可能性があるのです。

そういった内層に対してまた別のバッチフラワーが必要になってくるのです。


身体的には大病を患っていないものの行動障害(それにより動物自体が、そして飼い主が苦しんでいる)を見せる動物たちをバッチフラワーによって穏やかに、そして往々にして副作用のないレメディーで救うことができるのです。


重病で不治の病にある動物に対しては、バッチフラワーによって精神的安定を提供することもできます。

たとえ「治療」ができなくとも、あるいはその動物が一生強い薬を飲まねばならなくとも、しっかり選び抜かれたバッチフラワーはその動物のQOL(生活の質)を向上させることが可能です。


多くの場合、バッチフラワーは生きられる道のない病気を患う動物の最期の眠りを穏やかに迎えさせることができたり、飼い主がペットを安楽死させる正しい「タイミング」を決定するのに役立ちます。

概してバッチフラワーは、しっかり学んできた獣医師にとっても治療の選択肢の一つになるようなものなのです。


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いかがでしたか?


バッチフラワーと言えばよく覚えているエピソードがあります。


2年前、ドイツのティアハイムベルリン職員さんが日本で基調講演された際に同行したとき、大勢の前でのスピーチ補助にとても緊張するため、バッチフラワーのレスキューレメディーを携帯していました。


すると発表者であるティアハイム職員さんが「あ!私も持ってるわよ!」とレスキューレメディーの飴を見せてくださって、一緒に笑いました。


やはりドイツでは結構認知度が高いのだなと確信したのと同時に、飴バージョンがあることに当時は驚きました。



メリットもデメリットも理解した上で、緊急時のレスキューレメディーの存在や精神障害に対するアプローチの一つとして覚えておいて頂けると嬉しいです✨



本日もご訪問頂き、ありがとうございました!

THP-NoharA

Zusammenleben,Wohlfühlen. 共に生きること、心地よいこと。