インターズー2018(Interzoo2018)振り返り(前編)
こんにちは、ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
今回はインターズーというイベントについて、前回の振り返りを書いてみたいと思います。
(次回開催は本来今年の5月を予定していましたが、来年の6月1日~6月4日に延期となりました。)
ドイツ南部の都市ニュルンベルク。
二年に一度、世界中のペット産業関係者がこの土地に集結します。
目的は国際的な動物商業メッセ、Interzoo(インターズー)。
今でこそ有名ですが、その歴史を遡ると、初めて国際メッセが行われたのは1959年で、1988年より現開催地、ニュルンベルクへ移ってきました。
2018年の開催は5月8日~11日の4日間の日程で、61カ国から1818組のブース出展があり、117カ国から3万9075人もの来場者を記録しました。
インターズーは商業メッセであり、基本的に一般来場者は入れないことを考えると、いかに業界内で世界的に有名かが伝わってきます。
会場はニュルンベルク中央駅から電車で約20分のところに位置するメッセ・ニュルンベルクで、2018年は11万5000㎡以上ものスペースを使用して、計13ホールでの開催されました。
私がインターズーに来場するのはこれで三度目でしたが、毎度ながら迷子になりそうになります。
来場者の中には、パンフレット片手に辺りをキョロキョロ見回して現在の立ち位置を確認している人も少なくありません。
連日9時~18時(最終日のみ17時まで)という長丁場のため、出展側も来場者側も休憩が必須だからか、至る所に少し休めるところがあります。
5月のドイツはカラッと晴れて過ごしやすい日が多く、メッセのときは緑いっぱいの中庭でベンチに座ったり寝転んだり、それぞれ束の間の休息を楽しみます。
インターズーは毎年ドイツで行われているものの、世界各国から企業が集まってきます。
アジア系は中国の出展が非常に多く、例年2ホールほどほぼ中国企業の独占状態になっています。ヨーロッパで販売している製品も、よく見れば中国やベトナム等のアジアで生産されているものもあり、アジアの企業と直接やりとりして日本向けに商品を作ってもらえるようであれば原価も輸送費もぐっと安くなったりもします。
「ドイツまで行ってアジアの国とやりとりするなんて」と言わず、別の視点から交渉するのも悪くないかもしれません。
日本はというと、全体からすると毎回出展企業は少ない方です。
ですが、海外向けに商品を売っていきたい企業や常連参加の企業もあり、会場内で日本語の字を見る度に「おっ」となります。
逆に来場者から日本語が聞こえてくることは多いです。海外発信の新しいものを仕入れるために来る日本人が少なくないということです。
インターズーを効率良く回るポイントとしては、動物種にせよ商品にせよジャンルが多岐に亘るため、来場者は予め大体の的を絞っておいた方がよいということです。
とりあえずぶらりと全体を一周していると、興味深いものを見つけたブースがどのホールのどの辺りだったか忘れかねないし、見てるだけで日が暮れてしまいます。
たまたまドンピシャで非常に魅力的なブースに出逢えたとすれば、それは一種のご縁であると言っても過言ではありません。
ティアハイルプラクティカー(動物自然療法士)という職として、2018年のインターズーでの目当ては言うまでもなくオーガニック製品が中心だったのですが、そのときまさにトレンドとなりつつあったのか、ビオ・オーガニック製品を売りにしている企業が多かったように思います。
フード分野で言うと、ここ数年トレンドであるBARF(生肉中心の食生活用のフードや補助食品)が目立っていました。
動物の健康補助のためのサプリメント類も増えてきています。
また、そういった機能面を強化したフードやトリーツもよく目につきました。
目当てであったオーガニックカテゴリーでは、天然の寄生虫忌避剤と口内ケア用品が多かったです。
同年3月に毎年東京で開催されているインターペットメッセに訪問しましたが、口内ケア用品に関してはそこでも取り扱いが多かったように感じます。
インターペットに関してはフード・洋服、バギー、インテリア、旅行関係が中心でしたが、消臭・除菌用品を取り扱う企業も多々ありました。サプリメント系もちらほら見かけましたが、完全オーガニック商品に関しては数が少なかったように思います。
ここに日本のペット業界への需要と世界(特に欧米)のそれとの相違が見えてきます。
日本は洋服やバギー、消臭など、動物と暮らす人々が楽しく動物と過ごすための商品が多いですが、ヨーロッパを中心とした欧米では、動物の身体に優しい商品や健康を維持するための商品が多かったように思います。
どちらが良い悪いではないですが、やはり国や文化、動物と共に暮らしてきた歴史の長さの違いを感じざるを得ません。
日本でも、動物だって身なりを着飾るよりも健康寿命が長く、楽しく家族と共に過ごせる時間が多い方が良いと思う人はたくさんいるはずですが、実際意識できているかというと、正直疑問を感じてしまいます。
・・・と、少し長くなりそうなので、後編に続きます。
ちなみに後編はインターズーを訪れる予定のあるペット関連業者さんへ、体験談のシェアをしたいと思います!
本日もご訪問、ありがとうございました!
0コメント