動物保護施設から動物を迎える場合
こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
一昨日はとある会(オンライン)でのミニ発表でした。
なんとか自分の言葉で表現しましたが、内心汗だくでした^^;
人前に出るのはすごく緊張するのですが、実際はどうやらポーカーフェイスタイプのようで、すごく落ち着いて話しているように見えるらしいです。
もっと堂々と緊張せずにどんどん話せるようになりたいものです。
さて、動物をどこから迎えるか?シリーズ、今日は私の本領発揮(笑)、動物保護施設から動物を迎えることに関してです。
動物保護施設って、皆さんどんなところをイメージされるでしょうか?
職員さんは皆親切で、動物たちは幸せそうで、皆が善意で動いて寄付で成り立っていて・・・etc
いろんなイメージをそれぞれお持ちだと思います。
テレビでもたびたび動物保護施設の現状を動物バラエティー番組で取り上げたりしていますよね。
テレビの影響力はすごいので、きっとそのイメージが強いかと思います。
かく言う私も、動物の殺処分を知ったきっかけは新聞記事だったものの、動物保護施設に関してはテレビの影響をとても受けた人間のひとりです。
テレビってほんとインパクト強いですよね~。
もちろん裏のある構成もあり、一長一短ではあるんですけれど^^;
ではでは、動物保護施設から動物を迎えるメリットとデメリットについて、ざっと考えられるものを以下に挙げてみます。
【メリット】
・自分がいることでこの子を救えるといった運命感、社会貢献感を感じやすい。
→大半の動物保護施設は日々賢明に飼い主探しをしている。そこから動物を迎えるとなると、それだけで周りに感謝されるうえ、周囲に褒められることも少なくない。自分が動くことで1頭の命を救い、それがまた次の子を救うことになる。
・実際、行き場のない動物たちを救っている。
→前述のように自身の気持ちもよくなるうえ、事実、社会貢献をしている。前回ブログに記載の通り、「動物保護施設生活=その子は幸せ」とは限らない。自分に長い時間と注目をかけてもらい、愛され、5つの自由が満たされることによって、その子は幸せを感じるであろう。
※5つの自由(これらの条件が満たされていなければ、それは動物虐待の可能性あり)
①飢えと渇きからの自由
②不快からの自由
③苦痛からの自由
④恐怖と抑圧からの自由
⑤自由な行動をとる自由
・優良動物保護施設であれば、譲渡成立後もお悩み相談等、長いお付き合いができ安心。
→"優良"と記載した理由は、ブリーダーと同じく、動物保護施設もピンキリだからである。大抵の動物保護施設は譲渡成立後もアフターコントロール(譲渡後の生活環境チェック)のため、譲渡後も長く里親さんと交流する。施設スタッフらも手塩にかけて面倒をみた子たちのその後が気になるものなのだ。
・大抵の場合譲渡費用はペットショップよりも安価/もしくは無償の場合も。
→「え?保護動物なんだからタダなんじゃないの!?」という人は、2年前の沖縄の譲渡会ですらいた。犬猫を飼うのに数千~数万円が高いというのであれば、その人は絶対に飼わない方がいい。それはなぜか?これから何年続くかも分からない共同生活の中で、どれだけこの子らに費やすことになるか考えたら自ずと分かるだろう。
→保護動物の譲渡にお金が発生するのは、そういった安易で無計画な里親希望者への抑止力というのが一点。また、このお金は保護中にかかったワクチンや駆虫等の医療費、フード代等であり、決して動物保護団体がそれで儲けているわけではない(ドイツの保護団体も同様、経費の方がかかる)。
→ただ、ペットショップで売られている子より譲渡額は往々にして安価であり、条件によっては無償譲渡をしているところもある。
【デメリット】
・劣悪な環境下、管理下の保護施設であれば、疾病発生や間違った情報(去勢してるはずが実際はされていなかった)等トラブルが起きかねない。
→何度も繰り返すが、動物保護団体も種類がいろいろあり、中には保護団体のように振る舞いつつ、ペットショップの売れ残りやブリーダーの"不要"動物を引き取る、引き取り屋も存在する。野良からの保護だろうがペットショップからの保護だろうが、その保護施設の環境・管理体制はきちんとなされていなければならない。
正直なところ、保護動物がどの施設・個人に保護されるかによって、その子のQOL(生活の質)や犬生・猫生は大きく左右されてしまう。
→里親希望者はその団体・個人が真に信用できるところなのか、実際の施設を見学させてもらったり、詳しい話を聞かなければならない。
良い団体かそうでないかはブリーダーの話と同様、その動物の表情やしぐさがどうか。
痩せていたり極端に太っていたりせず、楽しそうな顔をしているか、である。
ただし、保護動物は過去にトラウマがあったり人慣れしていない子たちもいるので、そういう場合は動物のしぐさでなく、その施設・個人宅の状況、雰囲気、異臭などが判断基準になってくる。
・どのような環境で育ってきたのか、今までの経歴がわからないため、性格の深いところやトラウマの有無等、不明な点が多い(一部自然療法の診断にも不利)。
→不明点が多い場合、自然療法でよく質問されるその子自身の情報が集まりにくく、ピンポイントのレメディー等が見つけにくくなるのがデメリット(ただし、別のアプローチは可能)。
普段は穏やかなのに特定の人物や特定の条件下だけ豹変するという可能性もある。
また、人慣れしていない子、臆病な子らと信頼関係を築くのに非常に手間と根気が必要なため、その子にしっかりと時間をかけて向き合える人物が里親に向いている。
・子犬/子猫が手に入りにくい?純血種が手に入りにくい?
→子猫はあちこちで保護されているので、ネット検索でもすぐにヒットするはず。子犬は地域差はあるものの、保護されている頭数も前に比べて減っている。また、圧倒的に雑種ちゃんが多いので、純血種を探している人はピンポイントで調べる必要がある。
→日本人の「幼齢好き」に関してはまたの機会に触れたいが、子犬・子猫は想像以上に手間がかかることは今お伝えしておきたい。手間をかけずともフードと水があれば育つは育つが、性格に問題が発生したり、飼い主との信頼関係構築に悪影響を及ぼし、人間側から見た"問題行動"に繋がりかねない(この場合大抵は動物の頭が悪いのではなく、人間側が動物の欲求を満たしていないだけ)。
子犬・子猫の育成は人間の赤ちゃんと一緒。なめてはいけない。
・譲渡条件が厳しい?
→保護動物の里親になりたいけど、団体の譲渡条件が厳しく、里親になれないといった話はドイツでも耳にする。「一人暮らしだからダメ」「高齢者だからダメ」等・・・
→条件に満たなければ、いくらその子を気に入っていてもその子の里親になることはできない。
いかがでしょうか?
ここで譲渡条件に関して力説しておきたいことがあります。
確かに条件が厳しめな団体もありますが、ここはよく考えて頂きたいのです。
1日8時間以上一人で留守番させられるような家に人間の赤ちゃんをいさせますか?
ありえないことですよね。
だから子犬・子猫は基本的に長期留守番のお家はアウトなんです。
全ては書きませんが、1つ1つに理由があります。
ティアハイムの譲渡条件が厳しいとぼやく里親希望者もいましたが、当たり前です。
その施設のスタッフたちは毎日手塩にかけて保護動物たちの世話をし、彼らに幸せになってもらうために、良い里親、よりマッチした里親を探しているのです。
どうか理解してほしいのです。
「動物保護施設で動物を飼うことを断られた。」
それが何を意味するのか?
それは、あなたが動物を飼える生活スタイル・環境下ではないということです。
「可哀そうな動物を飼ってあげるのに、なんでこちらが選ばれなければならないの?」
と思われる方、是非ともそのマインドを変えて頂きたいのです。
動物を飼ってやるという上から目線はやめてください。
動物は生き物ですから、リスペクトを持って接してほしいのです。
動物を無理やり自分の生活スタイルに合わせるのではなく、こちらに合わせてもらったらどこかの何かの時間は動物に合わせて譲歩していきましょう。
それができないのであれば、動物を飼ってもきっとあなたはフラストレーションが溜まります。
そして動物にもフラストレーションが溜まります。
お互い不利益しか生じないのであれば、動物と一緒に暮らさなくてもよいのでは?と私は思うのです。
どうしても動物と一緒に暮らしたいのであれば、以下のように生活スタイルに合った動物を探しましょう(もちろんあくまで参考で、本当にその条件に当てはまるかはその子の性格や持病等が関わってきます)。
・長時間留守番がある
→おっとりとして独立性の高い子、シニアで寝てることが多い子
・家族でアウトドアがしたい
→お出かけ好きで好奇心旺盛な子(ビビリで出不精な子は避ける)
・高齢者/散歩の時間が多くとれない人
→家にいること、人といることが好きな子(遊びやお世話量が多い犬種、幼齢犬は避ける)
・・・つらつらと書いてしまいました。
結構キツめな言葉で書いてしまったかもしれません。
でも動物と暮らすってそういうことなんです。
こちらの都合ばかり押し付けてはいけませんよ。
私のキツいブログにめげず(笑)、是非とも新しい家族を探している保護犬、保護猫さんを迎えてあげて頂きたいです^^
私はトロさん(私のかつての愛猫さん)と生活していたとき、ときどき感じていました。
「この子、今幸せそうにご飯食べて寝てるけど、この"今"って私があのときこの子を保護しなければなかったんだよな。」と。
自分がいることで1匹の猫が幸せそうに目の前で寝てるわけです。
そう考えるとすごく心が熱くなり、満たされます。
そしてその子がいることで今私が幸せで満たされている。
その子がいなかったら今の自分もいない。
そう考えると、とても不思議な感覚になります。
うまく説明できないけど、動物の力ってすごいのです。
今もどこかで殺処分されていく子たちが、もしかしたら誰かを救ったり誰かを満たしたりするかもしれないのです。
どうか、今の日本のペット流通の闇に加担することなく、保護動物たちの里親になることを検討して頂きたいと、切に願います。
動物は生き物であり、家族です。
皆さんは、どんな環境で育ったどんな性格の子と一緒に生活したいですか?
本日もご訪問頂き、ありがとうございました!
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