動物愛護センターから動物を迎える場合
こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
8月がスタートしました!
今年は例年の夏とは全く違った過ごし方をしなければなりませんね・・・。
きっと日本全国の子供たちにとってはなかなか特別な思い出を作れない夏休みになりそうですが、その代わり日々の小さな幸せやありがたさを再発見できる良い機会になることを願っています^^
さて、動物をどこから迎えるか?シリーズ、今日は動物愛護センターから動物を迎えることに関してです。
動物愛護センター。
捨てられた動物や行き場のない動物を収容する、各自治体が運営するセンターです。
昔は「保健所」という名前で通っていたかと思いますが、今は保健所とは別に動物愛護啓発活動や動物譲渡に力を入れる「動物愛護センター」が各地にできており、殺処分を行う施設から譲渡を行う施設へと、少しずつ歩みを進めているようです。
私も学生の頃、何か所も動物愛護(管理)センターを見学させて頂きました。
当時は10年以上も前だったので、施設自体古くて薄暗くて、やはり負のイメージが強かったです。
ですが最近できた施設を1件見学した際は、努めて明るい光が差し込むプレイルーム、温かみのあるフロアになるよう設計されていました。
なにより、管理がしやすいつくり×動物のストレスを軽減できるつくり等、あちこちに工夫がされており、この10年の時代の移り変わりを痛感しました。
動物愛護センターで見聞きしたことについてはまた別の機会に改めて書きたいですが、今日はひとまず動物愛護センターから動物を迎えるメリットとデメリットについて、ざっと考えられるものを以下に挙げてみます。
【メリット】
・自分がいることでこの子を救えるといった運命感、社会貢献感を感じやすいし、実際、行き場のない動物たちを救っている。
→これは動物保護団体からの譲渡に同じ。ペットショップやブリーダーからの"購入"とは決定的に違うところである。
・自治体という公共の場から譲り受ける安心感
→知人からの譲渡と同じく、公共の場からの譲渡は信頼度が高く、その後相談事があっても担当者が対応してくれる可能性が高い。
→ただし、公共の場の個体だからといって「トレーニングが入っている」「人慣れしている」と思い込んではいけない。動物保護団体と同じく、個々の性格や滞在期間、人との信頼関係の構築に個体差がある。
・基本的に無償譲渡
→里親審査はあるものの、条件を満たしていれば基本的に無償譲渡となる。ただし、幼齢動物の譲渡の場合は適正年齢になれば必ず避妊去勢手術をするように等、一定の条件が提示されることがあり、譲渡後の費用は里親負担となる。
【デメリット】
・どのような環境で育ってきたのか、今までの経歴がわからないため、性格の深いところやトラウマの有無等、不明な点が多い(一部自然療法の診断にも不利)。
→こちらも動物保護施設の保護動物同様。不明点が多い場合、自然療法でよく質問されるその子自身の情報が集まりにくく、ピンポイントのレメディー等が見つけにくくなるのがデメリット(ただし、別のアプローチは可能)。
・子犬/子猫が手に入りにくい?純血種が手に入りにくい?
→子猫はあちこちで保護されているので、動物愛護センターでもよく募集されている。子犬に限らず犬の場合はセンターで募集されていないことも珍しくない。また、圧倒的に雑種ちゃんが多い。
→地方によっては野犬出身の子が保護されていることが多く、その場合は人慣れしておらずビビリな子が多いため、譲渡後にしばらくトレーニングに通う等手間をかけていろんなものに慣れさせることをお勧めする。
・里親希望者に対する審査あり
→デメリットに入れることでもないが、もちろん誰でも里親になれるわけではなく、審査がある。センターにより差はあるものの、結構譲渡条件が厳しめのところも少なくない。
いかがでしょうか?
基本的に動物保護施設と同じような内容です。
譲渡条件に関しては前回の動物保護施設編と同じく、動物愛護センターの職員が毎日お世話をした子たちなので、当然職員もその子の幸せを願い、より適切な飼育環境、より良い里親さんを探しています。
動物愛護センターで動物を飼うことを断られた。
それが意味するのは、あなたがその子を飼育できる生活スタイル・環境下ではないということです。
動物は生き物ですから、リスペクトを持って接しましょう。
動物を無理やり自分の生活スタイルに合わせるのではなく、こちらに合わせてもらったらどこかの何かの時間は動物に合わせて譲歩していきましょう。
それができないのであれば、動物を飼ってもきっとあなたはフラストレーションが溜まります。
そして動物にもフラストレーションが溜まります。
お互い不利益しか生じないのであれば、動物と一緒に暮らすことは不都合です。
どうしても動物と一緒に暮らしたいのであれば、自分の生活スタイルに合った動物を探したり、団体やセンターが希望する生活スタイルに変更しましょう。
しかし本当に、動物愛護センターの業務内容は昔のそれから変化しています。喜ばしいことです。
ですが一方で、生かしたい命を自らの手で殺めなければならない獣医職員。
いつも世話をしているその命を終わらせなければならないセンター職員。
頻度は確実に減っているものの、いまだにその仕事は続いています。
どうすればそれを止めることができるのでしょうか?
そしてもし殺処分ゼロを達成できたならば、それは何を意味するのでしょうか?
ここでは深く触れませんが、ゼロが達成されたとき、是非ともまた視野を広げて俯瞰して見て頂きたいのです。
どこかに必ず歪みが生じています。
それはなぜか?
動物が大量に生まれて売られていくという元栓が閉まっていないからです。
動物の力はすごいのです。
ときどき、人間には不可能なこともやってのけます。
それは壊れてしまった家族関係をも修復しうるくらいです。
今もどこかで殺処分されていく子たちが、もしかしたら誰かを救ったり誰かを満たしたりするかもしれないのです。
どうか、今の日本のペット流通の闇に加担することなく、保護動物たちの里親になることを検討して頂きたいと、切に願います。
動物は生き物であり、家族です。
皆さんは、どんな環境で育ったどんな性格の子と一緒に生活したいですか?
本日もご訪問頂き、ありがとうございました!
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